参考文献

記事で最も多く引用されている文献。基本文献には、どんな本か、その核心となる考え、読む価値がどこにあるかを短く紹介した。文献の所在へのリンクを付しており、その多くは無料で読める。

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基本文献

5本以上の記事で引用されている文献。短い紹介つき。

The Christian Century in Japan, 1549–1650

94本

C. R. Boxer

University of California Press, 1951 · 研究書

C・R・ボクサー(C. R. Boxer)の古典的名著で、1951年に初版が刊行された。1549年のフランシスコ・ザビエルの来日から島原の乱までの日本のキリスト教の歴史を、ポルトガル人イエズス会士の報告書と国家文書、なかでも大英博物館とリスボンのアジュダ図書館所蔵の布教団の秘密報告をもとに語る。その核心にある発想は大胆だ。信仰の興隆と弾圧がなければ、徳川日本は世界に対して門を閉ざすことはなかったかもしれない、というのである。イエズス会が日本の支配者たちとどう渡り合ったかを知るには今も出発点となる一冊であり、本サイトの読書案内の屋台骨でもある。

94本の記事で引用

Deus Destroyed: The Image of Christianity in Early Modern Japan

65本

George Elison (Jurgis Elisonas)

Harvard University Press, 1973 · 研究書

日本でキリスト教はなぜ挫折したのか。ジョージ・エリソン(George Elison、Jurgis Elisonas)の Deus Destroyed は、1973年にハーバード大学出版局から刊行され、迫害だけでは説明がつかないと答える。信仰は、来世の救済よりも世俗的な忠誠と社会秩序を重んじる、形成途上の近世日本のエートスとぶつかったのだ。本書は反対者たち自身に語らせる。棄教者である不干斎ハビアン(Fabian Fucan)とクリストヴァン・フェレイラ(Christovão Ferreira)の著作を含む四編の排耶書を、全訳で収めているのである。宗教史と政治史を自在に行き来しながら、神学上の論争がいかに国家の政策を形づくったかを示しており、弾圧の背後にあった思想と鎖国への道を知るための、今も広く引用される案内役である。

65本の記事で引用

They Came to Japan: An Anthology of European Reports on Japan, 1543–1640

49本

Michael Cooper

University of California Press, 1965 · 一次史料(翻訳アンソロジー)

同時代のヨーロッパ人の目に映った16・17世紀の日本が、ここにある。マイケル・クーパー(Michael Cooper, S.J.)は、1543年から1640年までに書かれたポルトガル人・スペイン人イエズス会士の書簡とイギリス人の報告から翻訳抜粋を選び、注釈を付して、日本の社会、宗教、政治、日常生活、服装、慣習を一望できる選集に編み上げた。イエズス会士、フランシスコ会士、商人がそろって語るので、ひとつの視点に偏ることがない。1965年にカリフォルニア大学出版局から刊行されたこのアンソロジーは、世に知られぬ古文書の紙葉から史料を掘り起こし、読みやすい英語に移して広い読者に開いた。戦国時代から江戸時代初期へ分け入るための標準的な入口である。

49本の記事で引用

A World Elsewhere: Europe’s Encounter with Japan in the Sixteenth and Seventeenth Centuries

46本

Derek Massarella

Yale University Press, 1990 · 研究書

壮大な帝国的構想は脇に置いてよい。デレク・マサレラ(Derek Massarella)の描く16・17世紀のヨーロッパと日本の出会いを形づくったのは、交易、生き残り、文化的交渉という、実際的でしばしば混沌とした営みであった。1990年にイェール大学出版局から刊行された A World Elsewhere は、イギリス東インド会社の平戸商館(1613–1623年)に関する標準的研究であり、同商館を、より大きな成功を収めた競争相手のオランダも含めた、ヨーロッパと日本の出会いの全体像のなかに置く。商館の記録と個人の日記を手がかりに、マサレラは居留地の社会構造を再構成し、私生活の複雑さも商業上の制約も抱えた人物たちを生き生きとよみがえらせる。ヨーロッパ人と日本人が実際にどう商売をしていたかを知るための、読みごたえのある概観である。

46本の記事で引用

The Great Ship from Amacon: Annals of Macao and the Old Japan Trade, 1555–1640

28本

C. R. Boxer

Centro de Estudos Históricos Ultramarinos, 1959 · 研究書

銀と生糸の交換。チャールズ・ラルフ・ボクサー(Charles Ralph Boxer)の The Great Ship from Amacon を動かしているのは、この取引である。1959年にリスボンで初版が刊行された本書は、1555年から1640年までのマカオ–日本貿易を追い、銀に富む日本と生糸を求める中国とを仲介したポルトガル人の姿を描き出す。その商業的成功は、イエズス会布教団の影響力、とりわけ長崎支配と切り離せないものであった。リスボンとゴアの文書館史料を掘り下げて交易を数量的にとらえ、その仕組みを解き明かし、競合するヨーロッパ諸勢力から最終的な交易の崩壊までを含めて、経済を政治と宗教に結びつける。ボクサーの政治史・宗教史の諸著作と対をなす商業史・海事史であり、マカオ、広州、長崎の間を行き交った銀と生糸の流れを詳しく案内してくれる。

28本の記事で引用

Historia de Japam

25本

Luís Fróis, Josef Wicki

5 vols., ed. Josef Wicki. Biblioteca Nacional de Lisboa, 1976–1984 · 一次史料(校訂版)

25本の記事で引用

The Japanese and the Jesuits: Alessandro Valignano in Sixteenth-Century Japan

24本

J. F. Moran

Routledge, 1993 · 研究書

一国の支配層の心をつかむにはどうすればよいか。J・F・モラン(J. F. Moran)が The Japanese and the Jesuits(Routledge、1993年)で示すように、アレッサンドロ・ヴァリニャーノの答えは文化的適応であった。宣教師は日本語と日本の慣習を身につけなければならない、というのである。モランは、自ら翻訳した未刊の書簡や論考を含むヴァリニャーノ自身の卓越した著作群を土台に本書を組み立てており、読者は宣教師の思考が動くさまをじかに目にすることができる。とりわけ冴えているのは、婚姻をめぐる教会法と現地の慣習との衝突のような難しい事例の分析であり、出来事だけでなく布教を支えた思想と戦略にまで踏み込んでいる。文化的適応と日本人聖職者の養成に関するヴァリニャーノの方針を知るうえで欠かせない一冊である。

24本の記事で引用

The Kakure Kirishitan of Japan: A Study of Their Development, Beliefs and Rituals to the Present Day

22本

Stephen Turnbull

Japan Library, 1998 · 研究書

スティーヴン・ターンブル(Stephen Turnbull)の1998年の研究は、他に類を見ない宗教現象、日本の隠れキリシタンへと読者を導く。厳格な口承と信徒による指導体制によって、その共同体は16世紀カトリックの面影をそれと認識できる形で守り伝え、やがて再建された教会とは別の道を歩んで、キリスト教の要素に神道・仏教の慣行を融合させた独自の信仰を形づくった。ターンブルはキリスト教の伝来から現代までその歩みをたどり、迫害の歴史と生月島・五島での現代のフィールドワークとを結びつけ、田北・片岡・ウィーラン(Whelan)の先行研究を踏まえている。得られるのは、儀礼、祈祷文、隠された信仰の社会のあり方について、間近から捉えた稀少な詳細である。

22本の記事で引用

Christianity in Early Modern Japan: Kirishitan Belief and Practice

21本

Ikuo Higashibaba

Brill, 2001 · 研究書

キリスト教を受け入れた日本人にとって、それは何を意味したのか。東馬場郁生(Ikuo Higashibaba)の Christianity in Early Modern Japan(Brill、2001年)は、1549年から1639年までのキリシタンを、イエズス会の制度からではなく改宗者の信仰と実践から、つまり「下から」見つめる。その核心にあるのは、日本人キリスト教徒はヨーロッパのカトリック教義をただ受け入れたのではなく、来世の救済とならんで「現世利益」を求める自らの宗教的感性を通して、それを能動的に読み替えたという洞察である。日本語のキリシタン文献を丹念に読み込み、宣教師の記録と突き合わせることで、その生きられた宗教が鮮やかに浮かび上がる。信徒たちが救済と儀礼をどう理解していたかを知るための、新鮮で示唆に富む一冊である。

21本の記事で引用

Rodrigues the Interpreter: An Early Jesuit in Japan and China

18本

Michael Cooper

Weatherhill, 1974 · 研究書

ジョアン・ロドリゲス(João Rodrigues)は、単なる宣教師ではなかった。マイケル・クーパー(Michael Cooper, S.J.)は Rodrigues the Interpreter(Weatherhill、1974年)で、このポルトガル人イエズス会士が日本と中国で通訳、外交官、著述家として過ごした五十年をたどり、イエズス会、日本の武将たち、中国の官憲の間の交渉の中心にいた姿を描き出す。ヨーロッパの文書館史料を広く用いて、英語圏の研究ではほとんど知られていなかった人物に光を当て、三世紀にわたるロドリゲス研究の空白を埋めた。外交上の謁見や交易活動の詳細な叙述に富み、1590年から1610年までのイエズス会の外交的使命、とりわけ徳川幕府との交渉におけるロドリゲスの役割を知るための格好の手引きである。

18本の記事で引用

Sumario de las Cosas de Japón (1583)

16本

Alessandro Valignano

Edited by José Luis Alvarez-Taladriz. Sophia University, 1954

16本の記事で引用

The Company and the Shogun: The Dutch Encounter with Tokugawa Japan

15本

Adam Clulow

Columbia University Press, 2014 · 研究書

オランダ東インド会社が徳川幕府とぶつかったとき、折れなければならなかったのは会社の側であった。アダム・クルーロー(Adam Clulow)は The Company and the Shogun で、外交・暴力・主権をめぐる衝突のなかで、VOCが主権的権限への主張を繰り返し放棄させられ、架空の国王の臣下から将軍の忠実な家臣へ、攻撃的な私掠者から従順な商人へと自らを作り変えていったさまを示す。オランダ人を成功した仲介者、あるいは純粋に商業的な主体とみなす従来の見方に異を唱え、「サント・アントニオ」号事件や1621年の禁令といった個別の法的紛争を文書館史料から綿密に再構成して、VOCと幕府それぞれの法の論理がきしみ合うさまを鮮やかに描き出している。

15本の記事で引用

A History of Japan, Vol. II: During the Century of Early Foreign Intercourse, 1542–1651

14本

James Murdoch, Isoh Yamagata

Kobe: Office of the “Chronicle”, 1903 · 研究書

1903年に神戸で刊行されたジェームズ・マードック(James Murdoch)の第2巻は、1542年から1651年まで、戦国時代から江戸時代初期にかけての、日本とヨーロッパの出会いの最初の一世紀を描く壮大な通史である。その大きな主張は、この一世紀がひとつの独自の時代だったということだ。破壊的であると同時に変革的でもあったヨーロッパ人の到来は、日本の封建諸国を前例のない国際的な外交と交易へと引き込み、やがて徳川幕府は孤立を選ぶ。山県五十雄(Isoh Yamagata)と組んで日本の史料を西洋の叙述に織り込んだ、早い時期の稀有な試みでもある。ポルトガル人の到来とキリスト教布教をめぐる網羅的な記述は、南蛮貿易、キリスト教の伝来、徳川幕府による政治的統合を知るための標準的な参考文献であり続けている。

14本の記事で引用

The Portuguese Empire in Asia, 1500–1700: A Political and Economic History

13本

Sanjay Subrahmanyam

Longman, 1993 · 研究書

英雄的な征服の物語は忘れてよい。1993年にLongmanから初版が出て、2012年に第2版が刊行されたサンジャイ・スブラフマニヤム(Sanjay Subrahmanyam)の本書は、アジアのポルトガル帝国をもっと奥行きのある姿で描き出す。それは堅固な領域国家ではなく、広大な陸地を支配するかわりに海上交通の要衝を押さえて通行税を取り立てることで成り立つ、脆いネットワークであった。経済データ、外交書簡、政治的叙述を織り合わせ、エスタード・ダ・インディア(Estado da Índia)がいかに現地の同盟関係と不安定な銀貿易に頼っていたかを示して、ポルトガル全能の神話を崩してみせる。近世アジア史の基礎的な総合研究であり、ムガル朝、サファヴィー朝、オスマン帝国との関係をたどる豊かな手引きでもある。

13本の記事で引用

O Japão e o Cristianismo no Século XVI: Ensaios de História Luso-Nipónica

12本

João Paulo Oliveira e Costa

Sociedade Histórica da Independência de Portugal, 1999 · 論文集

12本の記事で引用

The Sakoku Edicts and the Politics of Tokugawa Hegemony

12本

Michael S. Laver

Cambria Press, 2011 · 研究書

12本の記事で引用

The Survival of Empire: Portuguese Trade and Society in China and the South China Sea, 1630–1754

12本

George Bryan Souza

Cambridge University Press, 1986 · 研究書

ポルトガル人は17世紀にアジアの海で衰退した、というのが古い通説だ。1986年にCambridge University Pressから刊行されたジョージ・ブライアン・ソウザ(George Bryan Souza)の本書は、別の物語を語る。マカオの民間商人「カントリー・トレーダー」(country traders)は、エスタード・ダ・インディア(Estado da Índia)の独占の喪失にも、オランダとイギリスという競争相手の台頭にも耐え抜いた。それは武力によってではなく、アジア域内交易に欠かせない仲介者へと姿を変えることによってであった。オランダのVOC記録をポルトガルの文書館史料とあわせて掘り起こし、船舶トン数と商品の流れに具体的な数字を与え、マカオを支えた信用・積荷・代理人の網の目を再構成してみせる。18世紀の茶・絹・亜鉛の価額や、バタヴィアと広州における交易量についても、豊富なデータを提供してくれる。

12本の記事で引用

Asia in the Making of Europe (Vols. I and III)

11本

Donald F. Lach, Edwin J. Van Kley

University of Chicago Press, 1965 · 研究書

ヨーロッパはアジアに一方的に働きかけただけなのか、それともアジアがヨーロッパをつくる手助けをしたのか。この多巻本の研究は、後者に軍配を上げる。The Century of Discovery(1965年)と、エドウィン・J・ヴァン・クレー(Edwin J. Van Kley)との共著 A Century of Advance(1993年)において、ドナルド・F・ラック(Donald F. Lach)は、ヨーロッパのアジア進出が決して一方通行ではなかったことを示す。アジアの文化・宗教・経済は、ヨーロッパの思想と制度、さらにはその自己認識までも能動的に形づくったのである。多様な一次史料を網羅的に集めたこの研究は、アジアの思想が複数の地域と学問分野にまたがってヨーロッパの意識に入り込んでいった経路を、豊かな細部とともに描き出す。伝統的な歴史学のヨーロッパ中心主義的な偏りを正そうとした基礎的な総合研究であり、近世ヨーロッパとアジアの出会いを広い視野で見渡せる。

11本の記事で引用

State and Diplomacy in Early Modern Japan: Asia in the Development of the Tokugawa Bakufu

11本

Ronald P. Toby

Princeton University Press, 1984 · 研究書

徳川期の日本は本当に閉ざされた国だったのか。1984年にPrinceton University Pressから刊行され、1991年にStanford University Pressから再刊されたロナルド・P・トビ(Ronald P. Toby)の本書は、はっきりと否と答える。幕府は受動的な孤立(鎖国)に引きこもったのではなく、日本を中心とする新たな世界秩序を能動的に築き上げ、それによって国内での正統性を固め、対外関係を掌握したのである。朝鮮王朝の宮廷記録と日本の外交文書を突き合わせて、幕府の能動的な外交と情報収集を再構成し、明清交替について幕府がどのように情報を集めていたかを、詳細な事例研究で示す。基礎的な修正主義的研究であり、古い「鎖国」像を問い直したいときにまず手に取るべき一冊だ。

11本の記事で引用

A Vision Betrayed: The Jesuits in Japan and China, 1542–1742

10本

Andrew C. Ross

Edinburgh University Press, 1994 · 研究書

ひとつの構想と、その裏切り。1994年に刊行されたアンドリュー・C・ロス(Andrew C. Ross)による日本と中国のイエズス会史は、この弧を描く。西洋と日本の研究を総合し、フランシスコ・ザビエルの初期の活動から典礼問題まで、二世紀にわたる布教をたどる。中心にあるのは、アレッサンドロ・ヴァリニャーノとマテオ・リッチ(Matteo Ricci)の文化適応戦略だ。イベリアの「コンキスタドール」型とは異なる、帝国主義によらないこの構想は、キリスト教を土地に根づかせることに成功したが、やがてローマの硬直性とブルボン朝の君主たちの政治によって崩される。ロスは日本での布教を全面的な失敗とみなす見方に異を唱え、島原の乱をキリスト教がどれほど深く根を下ろしていたかの証しとして読む。説得力ある一冊であり、日本と中国の布教を比べて読むのにとりわけ向いている。

10本の記事で引用

Fidalgos in the Far East, 1550–1770

10本

C. R. Boxer

Martinus Nijhoff, 1948 · 研究書

これは、人々を通して語られるポルトガル領アジアの物語である。チャールズ・ラルフ・ボクサー(Charles Ralph Boxer)の1948年の本書は、布教の熱意や利益の追求という観点だけで歴史を見るのではなく、フィダルゴたちその人、すなわち東アジアの入り組んだ政治と文化のなかを渡り歩いた個々の人物、文官、兵士たちを追う。その舞台の中心にはマカオがあり、ゴア・中国・日本を結ぶネットワークが広がる。多言語の史料を見事に編み上げ、人物を軸にした生彩ある筆致で登場人物たちを生き生きと描き出す。当時としては基礎的な著作であり、ポルトガル語史料を軽視し、植民地アジアをもっぱらオランダやイギリスの目で見ていたアングロ・サクソン圏の学界に異を唱えた。マカオの社会と政治、そしてポルトガルのカラック船貿易の仕組みを知るうえで欠かせない一冊である。

10本の記事で引用

Francis Xavier: His Life, His Times

10本

Georg Schurhammer

4 vols. Jesuit Historical Institute, 1973–1982 · 研究書

全4巻でひとりの生涯を描く。イエズス会の文書館を利用できたイエズス会士の歴史家ゲオルク・シュールハンマー(Georg Schurhammer)は、1506年の誕生から1552年に中国沿岸沖で没するまでのフランシスコ・ザビエルを追い、後の叙述を測る基準となる標準的な学術伝記を完成させた。ドイツ語原著 Franz Xaver: sein Leben und seine Zeit をM・ジョセフ・コステロ(M. Joseph Costelloe)が英訳したもので、書簡、日記、同時代の年代記から、きわめて詳細で年代的に正確な叙述を組み上げている。ザビエルの霊的形成をナバラの動乱とパリ大学の知的高揚に結びつけ、その歩みをヨーロッパとポルトガル領アジアの激動のなかに位置づける。日本布教については第IV巻 Japan and China, 1549–1552 を開けばよい。

10本の記事で引用

Japonius Tyrannus: The Japanese Warlord Oda Nobunaga Reconsidered

10本

Jeroen Pieter Lamers

Hotei Publishing, 2000 · 研究書

織田信長は、よく言われるような残忍な暴君だったのか。イェルーン・P・ラメルス(Jeroen P. Lamers)の答えは否だ。2000年に刊行されたこの政治的伝記は、信長を実利的で果断、非イデオロギー的で、きわめて野心的な武将として描き直し、「callous and brutal」(冷淡で残忍)よりも「pragmatic and ruthless」(実利的で容赦ない)と呼ぶほうがふさわしいとする。さらに、最後の将軍足利義昭のもとでの室町幕府が、滅亡の直前においてさえ、通常考えられているよりも活力と政治的重要性を保っていたことも明らかにする。英語で読める標準的な信長伝として書かれ、ポルトガル人イエズス会士の記録と日本の年代記の双方に拠りながら、尾張での若年期から1582年の死までを厳密な年代順にたどっていく。

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Hideyoshi

9本

Mary Elizabeth Berry

Harvard University Press, 1982 · 研究書

封建領主か、絶対君主か。1982年にハーバード大学出版局から刊行されたメアリー・エリザベス・ベリー(Mary Elizabeth Berry)の豊臣秀吉伝は、どちらのヨーロッパ的なレッテルも当てはまらないことを示す。農民の出自から天下統一に至る台頭をたどりながら、ベリーが描き出すのは独自の政治的秩序である。それは一種の「連邦」であり、中央が全国の平和を保ち、都市を治め、対外政策を担う一方で、大名は自らの土地・軍勢・在地の行政を握り続けた。秀吉の支配は単なる過渡期の逸脱ではなく、首尾一貫し、統一を実際に成し遂げたものとして立ち現れ、制度史と社会史を織り合わせたベリーの分析は、その統一がなぜ安定したのかを説き明かす。豊臣政権の統治と、戦国時代から近世日本への移行を知るための、読みごたえのある手引きである。

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“The Case of Christovão Ferreira”, in Monumenta Nipponica

9本

Hubert Cieslik

29, no. 1 (1974): 1–54 · 論文・章

1633年、ポルトガル人イエズス会士クリストヴァン・フェレイラ(Christovão Ferreira)は日本で棄教した。後代には、彼が棄教を撤回して殉教したとする報告も現れる。それは本当なのか。1974年に Monumenta Nipponica 誌に発表されたこの論文で、フーベルト・チースリク(Hubert Cieslik)はその真偽を確かめようとし、日本で最も議論を呼ぶ宗教的人物の一人をめぐって、文学的な神話と文書に裏づけられた事実とを切り分けていく。醍醐味は探偵さながらの史料の突き合わせにある。オランダ商館の記録、日本の寺院の帳簿、ヨーロッパの書簡を厳密に照らし合わせ、フェレイラの正確な没年月日を特定してみせるのだ。基礎的な研究であり、フェレイラ自身の軌跡と、徳川初期のキリシタン迫害の年代的推移をたどるうえで欠かせない。

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A History of Japan, 1334–1615

8本

George B. Sansom

Stanford University Press, 1961 · 研究書

ジョージ・サンソム(George Sansom)が1961年に著したこの壮大な通史には、三世紀近い日本の歴史が詰まっている。鎌倉幕府の滅亡と1334年の建武の新政に始まり、足利時代と戦国の内乱を経て、1615年の大坂城落城と徳川政権の最初の数年にまで至る。核となる見立ては明快だ。封建制に内在する矛盾に突き動かされた内乱と党派抗争の長い時代が、最後には武力による統一に行き着いた、というのである。日本と欧米の膨大な研究を総合し、軍事行動を社会・経済の営みと織り合わせて描く。戦争と武士階級についての詳細な記述のおかげで、当時の政治の動きがすっきりと頭に入る。英語で書かれた中世日本史の基礎的な一冊である。

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The Portuguese Seaborne Empire, 1415–1825

8本

C. R. Boxer

Hutchinson, 1969 · 研究書

1415年のセウタ攻略から1825年のブラジル独立承認まで、ポルトガルの四世紀にわたる海外進出を一冊に収めたのが、C・R・ボクサー(C. R. Boxer)による1969年の概説である。ポルトガル史の第一人者が「History of Human Society」叢書のために一般読者向けに書いたもので、舞台はマグリブからモルッカ諸島、ブラジルにまで広がる。問いは二つだ。ポルトガルはいかにしてヨーロッパの海外進出の先駆けとなり、海を舞台にした最初の近代的植民地帝国を築いたのか。そして、より強力な列強が現れたのちも、その「shoestring empire」(乏しい資源で支えられた帝国)の多くをいかにして保持しえたのか。広範な文書館調査に裏打ちされ、込み入った外交・経済のやりとりを専門外の読者にもわかりやすく解きほぐす。帝国の年代的推移、行政機構、世界的な広がりを押さえるための、いまなお基礎となる総合である。

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Valignano’s Mission Principles for Japan

8本

Josef Franz Schütte

2 vols. Translated by John J. Coyne. St. Louis: Institute of Jesuit Sources, 1980–1985 · 研究書(翻訳)

日本におけるイエズス会宣教のためにアレッサンドロ・ヴァリニャーノ(Alessandro Valignano)が描いた構想を追ったのが、ヨーゼフ・フランツ・シュッテ(Josef Franz Schütte)のこの研究である。ドイツ語の原著を、ジョン・J・コイン(John J. Coyne)が全2巻の英語に訳した。1573年の巡察師任命から1582年の最初の日本出発までを、「The Problem(問題)」(1573–1580年)と「The Solution(解決)」(1580–1582年)の二幕で描く。核心にあるのは、ヴァリニャーノの成功は、ヨーロッパの模範を押しつけず、宣教の方法を日本の社会的・文化的規範に合わせる急進的な文化適応戦略のたまものだった、という見方だ。書簡や年報を含むヨーロッパと日本の文書館史料を厳密に読み込み、彼の戦略構想を再構成している。有馬晴信や大村純忠といったキリシタン大名との関わりを知るうえでも、豊かな手引きとなる。

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“The Great Martyrdom in Edo, 1623”, in Monumenta Nipponica

7本

Hubert Cieslik

10, no. 1/2 (1954): 1–44 · 論文・章

1623年、隆盛していた江戸の布教は終わりを迎えた。フーベルト・チースリク(Hubert Cieslik)が1954年にMonumenta Nipponica誌に寄せたこの論文は、その経緯と理由を語る。宣教師の年報、日本の年代記、オランダ側の記録を織り合わせ、江戸の大殉教をその原因から経過、余波までたどり、牢獄の状況や処刑地の地形についても貴重な具体像を示す。チースリクの読みでは、この殉教は江戸布教に決定的な幕を引き、将軍家光のもとで徳川幕府が組織的なキリシタン根絶に乗り出す始まりを告げるものだった。ジロラモ・デ・アンジェリス(Girolamo de Angelis)神父の物語と、家光のもとでの政治的転換を知りたいなら、まず手に取るべき論文である。

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The Portuguese Slave Trade in Early Modern Japan: Merchants, Jesuits and Japanese, Chinese, and Korean Slaves

7本

Lúcio de Sousa

Brill, 2019 · 研究書

日本人・中国人・朝鮮人を対象としたポルトガルの奴隷貿易という、歴史の長く見過ごされてきた一章に光を当てるのが、ルシオ・デ・ソウザ(Lúcio de Sousa)による594ページの研究である。2019年にブリル社(Brill)のStudies in Global Slavery叢書の一冊として刊行された。日本における奴隷制や、そこでポルトガル人とイエズス会士が果たした能動的な役割を軽く扱ってきた従来の叙述に対し、ソウザはイエズス会の宣教とイベリアの植民地経済に深く絡み合った、複雑な多民族的システムの姿を描き出す。イエズス会の記録、ポルトガルの植民地文書、日本の法令を掘り下げ、従来の歴史叙述からしばしば抜け落ちてきた、奴隷とされた人々の生を、ジェロニモ・イヨ(Jerónimo Iyo)などの事例研究を通じてよみがえらせるとともに、交易の担い手と、マカオやマニラを経由する経路をたどる。重大な空白を埋める基礎的な研究である。

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The Southern Barbarians: The First Europeans in Japan

7本

Michael Cooper

Kodansha International, 1971 · 研究書

接触の一世紀への格好の入口となるのが、マイケル・クーパー(Michael Cooper, S.J.)が編集し、海老沢有道、フェルナンド・G・グティエレス(Fernando G. Gutiérrez)、ディエゴ・パチェコ(Diego Pacheco)が寄稿した、1971年刊行のこの図版入りの一冊である。1543年から1640年までのヨーロッパと日本の接触を見渡し、歴史叙述、南蛮美術の図版、宣教師書簡の抜粋を並べて、込み入った歴史を無理なく追えるようにしている。核となる見方は、この一世紀が画期であり、ヨーロッパの宣教師たちが日常生活から政治的人物にいたるまで日本社会を他に類を見ないほど詳しく記録し、日本側の史料の空白を埋めた、というものだ。専門研究と一般読者の橋渡しを意図した南蛮研究の基礎的な概説であり、南蛮美術の豊かな図像はそれだけで眺める楽しみがある。

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A History of Portugal and the Portuguese Empire

6本

A. R. Disney

2 vols. Cambridge University Press, 2009 · 研究書

全2巻で一つの物語を描き切るのが、2009年にケンブリッジ大学出版局から刊行されたアンソニー・R・ディズニー(Anthony R. Disney)の通史である。第1巻は先史時代から1807年までのポルトガル本国を、第2巻は15世紀初頭の起源から1807–1808年の宮廷のリオデジャネイロ移転までの海外帝国をたどる。核となる見方は、ポルトガル帝国は一枚岩の国家ではなく、公式・非公式の居留地が散在する緩やかな寄せ集めであり、そこでは中央の統制よりも在地への適応や混淆性がしばしばものを言った、というものだ。1974年以降の研究成果を取り込み、政治・経済と並んで社会史にも正当な位置を与えながら、エスタード・ダ・インディア(ポルトガル領インド)の枠を大きく越えて、非公式居留地や植民地期ブラジルにまで目を配る。分断された帝国を、一貫した一つの叙述にまとめ上げている。

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Buddhism and the State in Sixteenth-Century Japan

6本

Neil McMullin

Princeton University Press, 1984 · 研究書

16世紀の日本では、仏教寺院が武力を擁し、独自の経済力と政治力を握っていた。ニール・マクマリン(Neil McMullin)が1984年にプリンストン大学出版局から世に問うたこの研究は、国家がその自立をいかに奪っていったかを描く。秀吉のもとで仏教の「復興」があったとする辻善之助の見解に挑み、信長・秀吉・家康の各政権を一つの政策が貫き、寺院の軍事的・経済的・政治的な自立を組織的に根絶していったことを示す。根来寺の破壊から本願寺の再建まで、説得力ある事例研究が、宗教機関が権力者にとっていかに政治的に役立つ存在であったかを浮かび上がらせる。寺院の武力の抑圧と宗教的権威の再定義をたどるための、厳密で読みごたえのある手引きである。

6本の記事で引用

Diary of Richard Cocks, Cape-Merchant in the English Factory in Japan, 1615–1622

6本

Richard Cocks, Edward Maunde Thompson

2 vols. Hakluyt Society, 1883 · 一次史料(校訂版)

1615年から1622年まで、日本のイギリス商館の商館長(cape-merchant)リチャード・コックス(Richard Cocks)は、この国で商売をする現実を日々書きとめた。エドワード・マウンド・トンプソン(Edward Maunde Thompson)が編集し、書簡と序文を添えて1883年にハクルート協会(Hakluyt Society)から刊行したこの日記は、イギリス人の在日活動を日々の単位で伝える主要な記録であり、積荷、通貨の両替、現地の役人とのやりとりが満載だ。先行するパーチャス(Purchas)の叙述を交易と外交の細部で補い、平戸におけるイギリス東インド会社の事業が、安値で売り込むオランダの競争相手、戦略上不利な立地、交易特権を縮小する日本の当局に追い詰められ、崩壊に至るまでを読者に追わせてくれる。初期の日英関係を飾らずに伝える、不可欠な記録である。

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“Slavery in Medieval Japan”, in Monumenta Nipponica

6本

Thomas Nelson

59, no. 4 (2004): 463–492 · 論文・章

中世の日本は奴隷を保有する社会だったのか。トマス・ネルソン(Thomas Nelson)が2004年にMonumenta Nipponica誌に発表したこの論文は、西洋の基準に照らせばそうだと答え、その仕組みを具体的に示す。ポルトガル側・イエズス会側の記録を日本の法制史料・文学史料と突き合わせ、飢饉のさなかの自発的な身売り、刑罰や負債による奴隷化、そしてポルトガル商人への大規模な輸出交易からなる、複雑な隷属の世界を明らかにする。身曳(mibiki)の証文など具体的な法的事例が、奴隷化の仕組みをありありと見せてくれる。この主題を軽く扱いがちだった近代の歴史学に対し、ネルソンは奴隷制が中世の社会秩序において公認され制度化された要素であったことを立証する。イベリアの商人が日本の奴隷制をどう記述し、日本の当局がそれをどう規制したかを比べる視点は、とりわけ示唆に富む。

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Tanegashima: The Arrival of Europe in Japan

6本

Olof G. Lidin

Nordic Institute of Asian Studies Press, 2002 · 研究書

1543年、ポルトガル人が種子島に上陸したとき、日本史はかつての中国文明の伝来にも比肩する画期を越えた。オロフ・G・リディン(Olof G. Lidin)はそう論じる。その来航が鉄砲の急速な採用と大量生産の端緒となり、戦国時代の戦いを根本から変えたからである。2002年に北欧アジア研究所(Nordic Institute of Asian Studies)から刊行されたこの研究の真骨頂は、文献学的な厳密さにある。西洋の研究者にはしばしば近づきがたく、誤解もされてきた日本側の主要史料、Teppō ki(鉄炮記)とTanegashima kafu(種子島家譜)の全訳と批判的注解を収め、ポルトガル、中国、日本の記録を突き合わせて、「種子島」銃の出自をめぐる俗説を覆す。1543年の上陸と、日本における鉄砲の初期の普及をたどるための、読みごたえのある手引きである。

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The Lens Within the Heart: The Western Scientific Gaze and Popular Imagery in Later Edo Japan

6本

Timon Screech

University of Hawai'i Press, 2002 · 研究書

顕微鏡、望遠鏡、幻灯機。江戸時代後期の日本にもたらされたこれらの装置を、タイモン・スクリーチ(Timon Screech)は浮世絵、ガラス絵、蘭学書といった日本の視覚文化のなかに追いかける。西洋の光学機器と科学的図像が日本人の見方と芸術制作を根本から変え、伝統的な美意識と共存しつつそれを変容させる新たな「科学的まなざし」を生んだ、というのが本書の核心だ。視覚資料と文字史料を緻密に織り合わせ、医学書から大衆向けの版画までを文化変容の一貫した物語に結びつける手腕が光る。1996年に The Western Scientific Gaze and Popular Imagery in Later Edo Japan の題で初版が出た本書は、江戸の日本で西洋科学がどう描かれたかを知るための基礎的な一冊である。

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Tokugawa Ieyasu: Shogun

6本

Conrad Totman

Heian International, 1983 · 研究書

コンラッド・D・トットマン(Conrad D. Totman)が1983年に刊行した徳川家康の伝記は、若年期から幕府の樹立まで、政治的駆け引き、軍事行動、行政改革を追いながら家康の生涯をたどる。家康の政治的才能は待ち、適応する力にあった、というのが本書の軸で、その現実的な忍耐を織田信長と豊臣秀吉の攻撃的な性急さと鮮やかに対比させる。英語圏の一般読者に向けた明快で読みやすい叙述で、三英傑の性格をくっきりと描き分け、この時代の込み入った政局を解きほぐしてくれる。何よりの魅力は、個人的な習慣や家族関係、隠居後の暮らしぶりまで描き、家康を生身の人間として立ち上がらせている点だ。

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A History of Japan, 1615–1867

5本

George B. Sansom

Stanford University Press, 1963 · 研究書

ジョージ・ベイリー・サンソム(George Bailey Sansom)による三部構成の日本通史、その第3巻にして最終巻が1963年刊の本書である。1615年から1867年までの徳川時代を扱い、幕府はどう統治したのか、国内経済はどう動いていたのか、そして鎖国政策はどのように崩れていったのかを描く。徳川幕府は精緻な抑制と均衡の仕組みによって安定した秩序を築き、戦乱に荒れた国を二世紀半にわたって繁栄し、よく治まった国家へと変えた、とサンソムは論じる。江戸時代の基礎的な通史として、徳川の政治機構、米経済の仕組み、海運の物流を明快に説き明かし、複雑な行政の細部を読みやすい物語にまとめ上げている。

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Documentos del Japón

5本

Juan G. Ruiz-de-Medina

2 vols. Institutum Historicum Societatis Iesu, 1990–1995 · 一次史料(校訂版)

1547年から1562年まで、日本における初期イエズス会布教の文書が2巻に収められている。当時の日本のキリシタン共同体に関する文書群の全体を、フアン・G・ルイス=デ=メディナ(Juan G. Ruiz-de-Medina)が編み、イエズス会歴史研究所(Instituto Histórico de la Compañía de Jesús)がスペイン語で刊行した校訂版で(1990年・1995年)、Monumenta Historica Societatis Iesu 叢書の一部をなす。旧来の刊本に頼らず原写本に立ち返り、訂正を施した翻刻と、古語や略語を解き明かす注を備える。ヨゼフ・F・シュッテ(Josef F. Schütte)の Introductio が築いた書誌的枠組みの上に立つ、この時期の標準的な参照版であり、フランシスコ・ザビエルとガスパル・バルゼオ(Gaspar Barzeo)をめぐる文書を読むならまずここである。

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Ideology and Christianity in Japan

5本

Kiri Paramore

Routledge, 2009 · 研究書

反キリスト教の言説は日本で長い命脈を保った。キリ・パラモア(Kiri Paramore)は、1600年代初頭の徳川幕府による禁教から、近代日本の国家イデオロギーの構築に用いられた1800年代後半まで、その歩みをたどる。この言説は単なる宗教的反発ではなく、近代日本の政治イデオロギーの土台をなしていた、という大胆な主張は、近世の宗教史と近代の政治とを隔てる通説的な区分を越える修正主義的な読みである。写本史料や和文の文献にあたる厳密な史料調査によって、日本の学者たちがキリスト教の文献に繊細に、しばしば合理的に向き合っていたことを明らかにし、まったくの無知という想定を覆す。反キリスト教的言説が日本の国民的アイデンティティの形成にどう関わったかを知るうえで、読みごたえのある一冊だ。

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Japan and the Dutch, 1600–1853

5本

Grant K. Goodman

Curzon Press, 2000 · 研究書

1640年から1853年まで、日本は本当に世界から閉ざされていたのか。グラント・K・グッドマン(Grant K. Goodman)の答えは否である。この時期は、限られてはいたが重要な、オランダとの商業的・知的接触の時代だったというのだ。1600年の最初の接触から江戸時代を通じての日蘭関係をたどる本書の中心にあるのは蘭学で、長崎の通詞のあいだに芽生えた蘭学が江戸や諸藩へと広がっていく過程を、多様な日本側史料から描き出す。1967年に The Dutch Impact on Japan (1640–1853) として初版が出て、1986年に Japan: The Dutch Experience として改訂され、2000年に現在の題で再刊された、日本における蘭学研究の基礎的な著作である。

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The Beginning of Heaven and Earth: The Sacred Book of Japan's Hidden Christians

5本

Christal Whelan

University of Hawai'i Press, 1996 · 一次史料(翻訳)

日本の隠れキリシタンが作り上げた聖典として唯一現存するのが Tenchi Hajimari no Koto(天地始之事)である。カトリックの教義と日本の民間伝承が溶け合った、江戸時代の物語だ。クリスタル・ウィーラン(Christal Whelan)による1996年の本書は、その初の完全な英訳に、序論と詳細な注、そして人類学的分析を添え、この文献を異端や歪曲としてではなく、宗教的な文化変容の洗練された事例として読み解く。訳者が五島列島の共同体に深く入り込んで行ったフィールドワークが、混成的な言語と神学を読み解くための欠かせない文脈を与えてくれる。本文そのものを読むためにも、隠れキリシタンの神学、儀礼、口承史への入り口としても、手に取りたい一冊だ。

5本の記事で引用

The Manila Galleon

5本

William Lytle Schurz

E. P. Dutton, 1939 · 研究書

1565年から1815年まで、スペインのガレオン船はマニラとアカプルコのあいだで太平洋を越えた。ウィリアム・ライトル・シュルツ(William Lytle Schurz)はその歴史を読ませる筆致で語る。本書の核心は、この交易がスペインの太平洋帝国の大動脈だったという点にある。危険に満ち、多くの人命を犠牲にしたこの航路は、アジアの奢侈品とアメリカ大陸の銀を循環させ、カリフォルニアの探検を推し進め、フィリピンをスペインの領土とし、太平洋を世界経済に組み込んだ。セビーリャのインディアス総文書館(Archivo General de Indias)での調査にもとづき1939年に初版が出た本書は、交易の危険、航路、個々の航海を生き生きと再構成し、ガレオン貿易の意義をめぐる英語圏の標準的な叙述を確立した。

5本の記事で引用

The Namban Trade: Merchants and Missionaries in 16th and 17th Century Japan

5本

Oka Mihoko

Brill, 2021 · 研究書

南蛮貿易を実際に支えていたのは誰だったのか。岡美穂子は、それが国家の認可した独占にとどまらず、私商人、イエズス会の商業活動、そして日本の出資者から託された銀(kotozutegin)を含む広大な信用のネットワークに支えられた仕組みだったことを示す。ポルトガル、スペイン、日本の文書館史料、なかでもこれまで十分に活用されてこなかった日本とマカオの文書をもとに、kotozuteginからレスポンデンシア契約に至る金融の仕組みを細かく再構成し、ポルトガル人、日本人、中国人が互いに依存し合っていた姿を描き出す。2010年の日本語の著書 Shōnin to senkyōshi: Nanban bōeki no sekai(商人と宣教師 南蛮貿易の世界)の英語版として2021年にBrillから刊行された本書は、信用と銀がマカオと日本をどう結びつけたかを知るための一冊である。

5本の記事で引用

The Samurai and the Sacred

5本

Stephen Turnbull

Osprey Publishing, 2006 · 研究書

武士を規定していたのは武勇だけではなかった、とスティーヴン・ターンブル(Stephen Turnbull)は言う。武士は、神道、仏教、そしてのちにはキリスト教が交わる、複雑で習合的な宗教世界のただなかに生きていたのである。一般読者と軍事史愛好家に向けた2006年の本書は、武士と神道、浄土教と禅を含む仏教、儒教、民間信仰、キリスト教との関わりをめぐり、さらにこの主題を近代の軍国主義と神風特攻隊にまでたどる。魅力は、朝鮮出兵前に松浦鎮信が行った儀式のような、よく選ばれた逸話で大きな文化的主題を照らし出す手際にある。戦争と信仰が日本でどう絡み合ってきたかを知るための、平易で楽しい入門書だ。

5本の記事で引用

2本以上の記事で引用された全文献

A History of Portuguese Overseas Expansion, 1400–1668

4本

Malyn Newitt

Routledge, 2005 · 研究書

この文献について

マリン・D・ニューイット(Malyn D. Newitt)による2005年の本書は、1400年から1668年までのポルトガルの海外進出を年代順にたどる。その要点は、進出が中世前期の諸制度から地球規模の商業ネットワークへと移り変わっていった、複雑で絶えず変化する事業であり、王権だけでなく、しぶとい民間の主導と宣教活動にも支えられていた、という見方にある。

4本の記事で引用

“Christianity and the Daimyo”, in The Cambridge History of Japan, Volume 4: Early Modern Japan.

4本

George Elison (Jurgis Elisonas)

edited by John Whitney Hall, 301–372. Cambridge University Press, 1991

4本の記事で引用

Japan's Encounter with Christianity: The Catholic Mission in Pre-Modern Japan

4本

Neil S. Fujita

Paulist Press, 1991 · 研究書

この文献について

1543年のポルトガル人の到来から徳川時代の終わりまで、ニール・S・フジタ(Neil S. Fujita)の1991年の本書は日本におけるカトリック布教の歩みをたどる。布教の当初の成功と最終的な失敗を、キリスト教神学の厳格な排他性と、日本の文化・政治の習合的かつ実利的な性格との衝突から説き明かしている。

4本の記事で引用

Kaempfer’s Japan: Tokugawa Culture Observed

4本

Engelbert Kaempfer

Edited and translated by Beatrice M. Bodart-Bailey. University of Hawai'i Press, 1999 · 一次史料(翻訳)

この文献について

エンゲルベルト・ケンペル(Engelbert Kaempfer)は1690–92年に出島に滞在し、その日本についての記述は1727年に The History of Japan の題で初めて英語で刊行された。ベアトリス・M・ボダルト=ベイリー(Beatrice M. Bodart-Bailey)が編集と注解も手がけたこの現代の英訳は、ドイツ語の原稿に立ち返り、ケンペル本来の語り口を取り戻すとともに、従来の英語版に見られた歪曲を正している。

4本の記事で引用

Portuguese Trade in Asia under the Habsburgs, 1580–1640

4本

James C. Boyajian

Johns Hopkins University Press, 1993 · 研究書

この文献について

ポルトガルのアジア帝国は本当に王室独占だったのか。ジェームズ・C・ボヤジャン(James C. Boyajian)の1993年の研究は否と答え、私貿易、とりわけ新キリスト教徒による私貿易こそが交易を支配し、ハプスブルク期の帝国を支えたことを力強く論じる。見慣れた構図をひっくり返し、王権ではなく商人たちを物語の中心に据えた一冊である。

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Samurai William: The Adventurer Who Unlocked Japan

4本

Giles Milton

Hodder & Stoughton, 2002 · 一般向け歴史書

この文献について

一介のイングランド人水先案内人が武士になる。ジャイルズ・ミルトン(Giles Milton)が2002年の一般向け歴史書Samurai Williamで描くのは、そのウィリアム・アダムスの物語である。アダムスがいかにして徳川家康の信頼を得、遠く隔たった二つの文化の架け橋となり、日本におけるイングランド貿易の足がかりを築いたかをたどる。一般読者に向けて書かれており、この冒険の全体へと気軽に入っていける。

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Silence

4本

Shūsaku Endō

Trans. William Johnston. Monumenta Nipponica Monographs, Sophia University, 1969

4本の記事で引用

The Cambridge History of Japan, Volume 4: Early Modern Japan

4本

John Whitney Hall

Cambridge University Press, 1991 · 編著

この文献について

The Cambridge History of Japanの第4巻で、ジョン・W・ホール(John W. Hall)が編者を、ジェームズ・L・マクレイン(James L. McClain)が編集補佐を務めた。欧米と日本の専門家を結集し、近世日本を幅広く総合した一冊である。英語圏の読者にこの時代の完全な記録を届けることを目指し、双方の学界の研究を土台としている。近世日本の全体像を一冊でつかみたいなら、まず手に取るべき参考書だ。

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The Chronicle of Lord Nobunaga

4本

Ōta Gyūichi

[The Chronicle of Lord Nobunaga]. Trans. J.S.A. Elisonas and J.P. Lamers. Leiden: Brill, 2011 · 一次史料(翻訳)

この文献について

織田信長の生涯と権力掌握を、同時代人の太田牛一が書き留めた記録である。Shinchō Kōki(信長公記)は信長の時代に書かれた第一の年代記であり、J・S・A・エリソナスとJ・P・ラマースによる2011年の注釈付き英訳は、日本語を読まない読者にもこれを開いてくれる。信長その人の記録者の目を通して、信長に出会える一冊だ。

4本の記事で引用

The English Factory in Japan, 1613–1623

4本

Anthony Farrington

2 vols. British Library, 1991 · 一次史料(校訂版)

この文献について

アンソニー・ファリントン(Anthony Farrington)による全2巻の校訂版で、平戸のイギリス東インド会社商館の1613年から1623年までの記録を包括的に収める。編者は商館が失敗した理由も解き明かす。会社が日本市場に過大な期待を寄せたこと、ロンドンからの積荷がまれで大半が売れなかったこと、そして待ち望まれた中国との貿易がついに開かれなかったことである。史料と分析がそろい、日本におけるイギリス人を知るならまずこの本だ。

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“The Inseparable Trinity: Japan’s Relations with China and Korea”, in The Cambridge History of Japan, Volume 4: Early Modern Japan

4本

George Elison (Jurgis Elisonas)

edited by John Whitney Hall, pp. 235–300. Cambridge University Press, 1991 · 論文・章

この文献について

日本・中国・朝鮮を一つにつながった物語として描く。The Cambridge History of Japan第4巻に収められたこの章で、ユルギス・エリソナス(Jurgis Elisonas、ジョージ・エリソン George Elison)は、中国を中心とする朝貢体制と、自立を主張しようと変化し続ける日本の試みとのせめぎ合いをたどる。その行き着く先は、徳川政権による独自の日本中心の秩序の創出であった。東アジアの国際関係を一章で見渡せる、視野の広い論考である。

4本の記事で引用

“Alessandro Valignano: Man, Missionary, and Writer”, in Renaissance Studies

3本

M. Antoni J. Üçerler

17, no. 3 (2003): 337–366 · 論文・章

この文献について

人間として、宣教師として、著述家としてのアレッサンドロ・ヴァリニャーノを丸ごと描く。イエズス会士の研究者M・アントニ・J・ユチェルレル(M. Antoni J. Üçerler, SJ)が2003年にRenaissance Studies誌に発表した論文で、布教の要でありながら議論を呼んだこの人物を取り上げる。その革新的な文化適応政策は日本のイエズス会布教を一変させ、同時代人に根強かったヨーロッパ中心主義に異を唱えた。布教の方向転換を導いた人物への、簡潔で読みごたえのある入門である。

3本の記事で引用

Arte da Lingoa de Iapam

3本

João Rodrigues (Tçuzzu)

Nagasaki: College of the Society of Jesus, 1604–1608 · 一次史料(古版本)

この文献について

イエズス会宣教師ジョアン・ロドリゲス(João Rodrigues、Tçuzzu)がポルトガル語で著した日本語文法書で、1604年から1608年にかけて長崎のイエズス会コレジヨで印刷された。その信念は明快だ。日本で効果的に布教するには、イエズス会はまず日本語を体系的な規則にもとづいて理解しなければならない。宣教師たちが日本語の習得にどう取り組んだかをのぞかせてくれる、興味の尽きない窓である。

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Christ's Samurai: The True Story of the Shimabara Rebellion

3本

Jonathan Clements

Robinson, 2016 · 一般向け歴史書

この文献について

ジョナサン・クレメンツ(Jonathan Clements)の2016年の本書は、1637–1638年の島原の乱を、一般読者が引き込まれる物語として描く。彼の描く島原の乱は、「doomsday cult」(終末論的カルト)による聖戦にとどまらない。宗教迫害、過重な課税、飢饉が引き起こした蜂起であり、徳川幕府がそれを宗教的脅威として描き出して苛烈な鎮圧を正当化したのである。乱と、それに巻き込まれた人々に生き生きと近づける一冊だ。

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Confrontación Transpacífica: El Japón y el Nuevo Mundo Hispánico, 1542–1639

3本

Lothar Knauth

UNAM, 1972 · 研究書

この文献について

メキシコ国立自治大学(UNAM)から1972年にスペイン語で刊行されたロタール・クナウト(Lothar Knauth)の研究は、太平洋をはさんだ日本とスペイン帝国の交渉を1542年から1639年までたどる。そこに見いだされるのは単純な発見や改宗の物語ではなく、相反する地政学的野心と宗教的イデオロギーに突き動かされた、複雑でしばしば悲劇的な対決である。日本とスペイン語圏世界との長い出会いを一望させてくれる。

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De missione legatorum Iaponensium ad Romanam curiam

3本

Alessandro Valignano, Duarte de Sande

Latin trans. Duarte de Sande. Macao, 1590 · 一次史料(古版本)

この文献について

アレッサンドロ・ヴァリニャーノが構想・編集し、ドゥアルテ・デ・サンデがラテン語に訳して1590年にマカオで印刷した対話篇で、天正遣欧使節のローマへの旅を語り直す。旅の日記と、ヨーロッパの宮廷・都市・習俗の観察をもとに組み立てられ、日本のイエズス会のセミナリヨとコレジヨの教科書として、カトリック・ヨーロッパの壮麗さと権威を学生たちに伝えるために書かれた。2009年にはコインブラ大学出版局から、ラテン語本文にポルトガル語訳を付した現代の校訂版が出ている。

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Early Modern Japan

3本

Conrad Totman

University of California Press, 1993 · 研究書

この文献について

コンラッド・トットマン(Conrad D. Totman)のEarly Modern Japan(1993年)は、1568年から1868年までの三世紀を、一つの鮮やかな逆説を軸に描く。目覚ましい成長ののちに一世紀半の停滞が訪れ、社会的・経済的な拡大は体制上の制約と生態的な限界に突き当たったというのである。生態への目配りが、おなじみの歴史に新鮮で示唆に富む角度を与えている。

3本の記事で引用

Historia de las Islas del Archipiélago Filipino y Reinos de la Gran China, Tartaria, Cochinchina, Malaca, Siam, Cambodge y Japón

3本

Marcelo de Ribadeneira

Barcelona, 1601 · 一次史料(古版本)

この文献について

1601年にバルセロナで初版が刊行された、マルセロ・デ・リバデネイラ(Marcelo de Ribadeneira)によるフランシスコ会の歴史書で、フィリピン、中国、東南アジア、日本の布教を広く描く。その確信は、フランシスコ会、とりわけ跣足派の修道士たちこそ東洋の福音化のために神に選ばれ、英雄的な徳と殉教によって信仰の礎を築いたというものだ。修道士たち自身の声で語られた彼らの物語であり、1947年には注を付した現代版がマドリードから出ている。

3本の記事で引用

Journey to the East: The Jesuit Mission to China, 1579–1724

3本

Liam Matthew Brockey

Harvard University Press, 2007 · 研究書

この文献について

中国のイエズス会士を文化の使者とみる、おなじみの像の向こうへ。リアム・マシュー・ブロッキー(Liam Matthew Brockey)によれば、彼らはなによりもまず宣教師であった。2007年の本書は、彼らがローマ・カトリックを中国の文化的枠組みへと翻訳し、改宗者たちをバロック・カトリシズムの共同体へと形づくり、ついには約二十万人の改宗者を数えるに至った姿を描く。中国布教が実際にどう動いていたかを伝える、読みごたえのある一冊だ。

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Lords of the Sea: Pirates, Violence, and Commerce in Late Medieval Japan

3本

Peter D. Shapinsky

Ann Arbor: Center for Japanese Studies, University of Michigan, 2014 · 研究書

この文献について

海から見た中世後期の日本は、どんな姿をしていたのか。ピーター・D・シャピンスキー(Peter D. Shapinsky)の2014年の研究は、おなじみの陸上中心の視点を、しばしば海賊として片づけられてきた海の民自身の視点に置き換える。そこから生まれるのはこの時代の新たな理解であり、書名にいう「海の領主」たちが物語の中心に立つ。

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O Cristianismo no Japão e o Episcopado de D. Luís Cerqueira

3本

João Paulo Oliveira e Costa

PhD thesis (unpublished, 2 vols.), Universidade Nova de Lisboa, 1998 · 博士論文

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ジョアン・パウロ・オリヴェイラ・エ・コスタ(João Paulo Oliveira e Costa)が1998年にリスボン新大学(Universidade Nova de Lisboa)に提出したポルトガル語の博士論文で、ルイス・セルケイラ司教(D. Luís Cerqueira)の在任期(1598–1614年)に光を当てる。日本キリスト教史において決定的でありながら見過ごされがちなこの段階を、イエズス会主導の独占体制から、フランシスコ会、スペイン王権、台頭する徳川政権を巻き込む複雑な抗争への移行としてたどる。激動の一章を深く知るための手引きである。

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Samurai Invasion: Japan’s Korean War 1592–1598

3本

Stephen Turnbull

Cassell, 2002 · 一般向け歴史書

この文献について

軍事史家スティーヴン・ターンブル(Stephen Turnbull)が、日本による朝鮮侵攻を2002年の図版入りの歴史書で生き生きと描き出す。1592–1598年の戦争を、明の征服をめざす豊臣秀吉の野心が生んだ破局として語り、朝鮮の抵抗と中国の介入がついに武士の軍勢を打ち破るまでを追う。語り口は明快で図版も充実しており、戦争の全体像へと入りやすい一冊である。

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Sekigahara 1600: The Final Struggle for Power

3本

Anthony J. Bryant

Osprey Publishing, 1995 · 一般向け歴史書

この文献について

短く、図版入りで、細部に富む。アンソニー・J・ブライアント(Anthony J. Bryant)による96ページの一冊(Osprey社 Campaign シリーズ第40巻、1995年)は、関ヶ原の戦いへと読者を導く。ブライアントはこの戦いを、豊臣秀吉の死後に続いた権力闘争の決定的な帰結として描き、徳川家康が軍事力だけでなく、戦略的な駆け引きと小早川秀秋の決定的な裏切りによって勝利したことを示す。家康の覇権を確立した一戦への手ごろな案内書である。

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Spain, China, and Japan in Manila, 1571–1644: Local Comparisons and Global Connections

3本

Birgit Tremml-Werner

Amsterdam University Press, 2015 · 研究書

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ビルギット・トレムル=ヴェルナー(Birgit Tremml-Werner)の2015年の研究は、マニラを、スペイン、中国、日本の諸主体が複雑な三角形の対外関係を織りなした比類のない結節点として描く。それは単純なヨーロッパ拡大の物語には収まらない物語である。三者を同じ舞台に並べることで、三つの世界が出会った都市へと読者の目を開かせてくれる。

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The Deshima Dagregisters: Their Original Tables of Contents

3本

Cynthia Vialle, Leonard Blussé

Leiden Center for the History of European Expansion, 2001–10

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オランダ東インド会社が出島で記した商館日記(dagregisters)は膨大な文書群である。ライデンで刊行されたこのシリーズ(Intercontinenta、全13巻、1986–2010年)は、その欄外に記された原目次を英訳で公刊し、これを利用しやすくしている。シンシア・ヴィアレ(Cynthia Viallé)とレオナルド・ブリュッセ(Leonard Blussé)が編集した巻は、1641–1650年、1650–1660年、1660–1670年を扱う。日本に関するオランダ側の記録を開く、実用的な鍵である。

3本の記事で引用

“The English and the Control of Christianity in the Early Edo Period”, in Japan Review

3本

Timon Screech

24 (2012): 3–40 · 論文・章

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タイモン・スクリーチ(Timon Screech)が2012年にJapan Review誌に発表した論文は、日本がカトリックに背を向けていく過程に、意外な当事者を見いだす。イギリス東インド会社である。リチャード・コックス(Richard Cocks)とウィリアム・アダムス(William Adams)を通じて、イギリス人は徳川幕府をカトリックに敵対させるうえで決定的な、しかもこれまで見過ごされてきた役割を果たした、と論じる。江戸初期と日本のキリスト教の運命に、大胆な新しい角度から光を当てる。

3本の記事で引用

“The Experiences of Christians During the Underground Years and Thereafter”, in Japanese Journal of Religious Studies

3本

Peter Nosco

Vol. 34, No. 1 (2007): 85–97 · 論文・章

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二世紀以上にわたる潜伏のなかで、日本のキリシタンはどう変わっていったのか。ピーター・ノスコ(Peter Nosco)が2007年にJapanese Journal of Religious Studiesに発表した論文は、ひそかに実践される禁じられた宗教として始まった潜伏キリシタンが、取り締まりの緩みとともにかくれキリシタン(Kakure Kirishitan)となり、近代に入って初めて秘密結社の性格を帯びるまでをたどる。その全行程を、簡潔で考え抜かれた筆致で案内してくれる。

3本の記事で引用

The First European Description of Japan, 1585: A Critical English-Language Edition of Striking Contrasts in the Customs of Europe and Japan

3本

Luís Fróis

Translated, edited and annotated by Richard K. Danford, Robin D. Gill and Daniel T. Reff. Routledge, 2014 · 一次史料(翻訳)

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1585年、ルイス・フロイス(Luís Fróis)はヨーロッパと日本を並べ、風習と風習を突き合わせた。編者たちはこの論考を、ヨーロッパ人による初の体系的な日本記述と位置づける。リチャード・K・ダンフォード(Richard K. Danford)、ロビン・D・ギル(Robin D. Gill)、ダニエル・T・レフ(Daniel T. Reff)が翻訳・編集・注釈を担い、レフによる批判的な序論を付した2014年のこの英語校訂版は、鮮やかな対比の数々を存分に味わわせてくれる。

3本の記事で引用

The History of Japan, Together with a Description of the Kingdom of Siam

3本

Engelbert Kaempfer

Translated by J. G. Scheuchzer. Thomas Woodward, 1727 · 一次史料(翻訳)

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エンゲルベルト・ケンペル(Engelbert Kaempfer)は1690–92年にオランダ東インド会社の長崎(出島)商館の医師を務め、その間に二度江戸へ旅した。本書は、彼がその目で見たものに基づく記述である。J・G・ショイヒツァー(J. G. Scheuchzer)による英訳は1727年にロンドンで刊行され、1906年にグラスゴーで再刊された。日本について、さらにはシャムについても、民族誌と歴史の両面から包括的な姿を描き出す。

3本の記事で引用

The Maker of Modern Japan: The Life of Tokugawa Ieyasu

3本

A. L. Sadler

George Allen and Unwin, 1937 · 研究書

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1937年にロンドンで初版が刊行され、その後も Tuttle や Routledge などから再刊されてきた A・L・サドラー(A. L. Sadler)の伝記で、徳川家康を近代日本の不可欠な設計者として描く。現実的な適応力と戦略的な忍耐によって、家康が分裂した国を統一し、数世紀にわたって続く安定した幕府を樹立したさまを示す。徳川の秩序を築いた人物を描いた、古典的な伝記である。

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The Samurai and the Cross: The Jesuit Enterprise in Early Modern Japan

3本

M. Antoni J. Üçerler

Oxford University Press, 2022 · 研究書

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近世日本におけるイエズス会の事業は、単なる霊的な営みではなかった。M・アントニ・J・ユチェルレル(M. Antoni J. Üçerler, S. J.)は2022年の本書でそう示す。それは宗教・法・「国家理性」をめぐる議論と結びついており、宣教師たちは日本人キリシタンのジレンマに合わせた「良心問題」(cases of conscience)に至るまで、武士の日本に向けてキリスト教を「再創造」しようとした。宣教師はキリシタン領主に戦争について助言してよいのか、避難のための要塞を持つべきなのか。そうした議論も本書の読みどころである。

3本の記事で引用

“The Social and Economic Consequences of Unification”, in The Cambridge History of Japan, Volume 4: Early Modern Japan

3本

Wakita Osamu

Vol. 4: Early Modern Japan, edited by John Whitney Hall. Cambridge University Press, 1991 · 論文・章

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The Cambridge History of Japan第4巻に収められ、ジェームズ・L・マクレイン(James L. McClain)が英訳したこの章で、脇田修(Wakita Osamu)は、16世紀後半の社会的・経済的変容は中世の延長ではなく決定的な断絶であったと論じる。統一は独自の社会類型を生み出し、中世と近世とのあいだに真の境界線を引いたというのである。統一が何を変えたのかを、大きな視野で明快に示す一章だ。

3本の記事で引用

Tour of Duty: Samurai, Military Service in Edo, and the Culture of Early Modern Japan

3本

Constantine Nomikos Vaporis

University of Hawai’i Press, 2008 · 研究書

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参勤交代は、幕府が大名を統制するための仕組みにとどまるものではなかった、とコンスタンティン・N・ヴァポリス(Constantine Nomikos Vaporis)は2008年の本書で論じる。それは、江戸で軍役を務める武士たちのアイデンティティ、日常生活、社会的交流を作り変えた、変革的な文化的力であった。一つの制度と、それが形づくった文化を生き生きと描き出す。

3本の記事で引用

Women Religious Leaders in Japan’s Christian Century, 1549–1650

3本

Haruko Nawata Ward

Ashgate, 2009 · 研究書

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ハルコ・ナワタ・ウォード(Haruko Nawata Ward)は、女性を日本のキリシタンの世紀の中心に据える。2009年の本書は、女性たちを信仰の受動的な受け手としてではなく、1549年から1650年にかけて日本にキリスト教が根づき、生き延びていくうえで中心的かつ能動的な役割を担った主体として描き出す。信仰を導き、支えた女性たちに光を当てる、示唆に富む研究である。

3本の記事で引用

“Secrecy and the Transmission of Tradition: Issues in the Study of the "Underground" Christians”, in Japanese Journal of Religious Studies

2本

Peter Nosco

Japanese Journal of Religious Studies, 1993 · 論文・章

2本の記事で引用