日葡交流史に関する新しい研究──学術論文、研究書、展覧会図録──についての短評です。何が新しいのか、何が変わるのか、誰が読むべきかを評価します。新しい研究が現れ次第更新され、RSSフィードでも配信しています。
宣教団で最も忌み嫌われた上長についての、これまでで最良の研究である。ザンポル・ドルティアはカブラルを戯画ではなくイエズス会の救済神学を通して読み解き、このオープンアクセスの研究書は、型どおりの悪役を、なぜヴァリニャーノの適応政策が必要だったのかを理解する鍵へと変える。
追放後の数十年に新たな光を当てる論文である。イエズス会は、もはや立ち入ることのできない日本について、東アジア各地の情報提供者網と亡命先で書かれた年報を通じて知識を生産し続けた。1639年以後を理解するうえで欠かせない文脈である。
聖典、器物、そして日本そのものの「翻訳」を、近世の出会いを動かす装置として捉えた論集である。イエズス会の宣教出版と、キリスト教を翻訳した日本人の主体性を扱う各章は、南蛮の世紀が実際にどう機能したかに直結している。