Triplett, Katja (ed.); Orii, Yoshimi (ed.); Jolliffe, Pia (ed.) (2025). “Japan in the Early Modern World: Religion, Translation, and Transnational Relations”, J.B. Metzler / Springer, Übersetzungskulturen der Frühen Neuzeit.
出版元 / DOI: doi.org/10.1007/978-3-662-70424-0
2022年のライプツィヒでのシンポジウムから生まれた本論集は、宗教史・翻訳史・書物史の研究者を一つの主張のもとに集める。1550年から1800年にかけての日本とヨーロッパの関係は、最も広い意味での「翻訳者」たち──宣教師、通訳、印刷工、商人、そしてキリスト教を自らの物質的・言語的な言葉で作り直した日本人改宗者──によって築かれた、という主張である。寄稿は、キリスト教の翻訳における日本人の主体性を再訪する東馬場郁生から、日本発のイエズス会書簡がハクルート『航海記集成』(1599年)に編み込まれる過程を追うパウラ・オヨス・ハットリ、ボドリアン図書館に流れ着いた1596年のイエズス会宣教出版物をめぐるトリプレットの探索まで、幅広い。
ここで取り上げるのは、単一の主張のためではなく、その射程のためである。論集はつねに出来にむらがあり、本評が評価したのは全体の骨格であって各章ではない。それでも、その貫く糸はこのアーカイブにとって重要だ。当サイトのジョアン・ロドリゲス論やポルトガル語借用語論で描いた言語の営みは、出会いの余興ではなかった。本書に照らせば、それこそが出会いそのものだったのである。
Nanban.pt編集部によるレビュー:2026-07-04